【事例紹介】高次脳機能障害で後遺障害等級9級10号を獲得し、慰謝料を裁判基準まで増額した事例
事案
サラリーマンのN様は、歩行者として交差点で信号待ちをしていた際、操作を誤ったトラックが歩道に突入し衝突するという重大な事故に遭われました。 この事故により、外傷性くも膜下出血、急性硬膜外・硬膜下血腫、脳挫傷、頭蓋底骨折、左側頭骨陥没骨折などの重傷を負い、一時は危篤状態に陥りました。 緊急手術によって一命をとりとめたものの、事故後には記憶力低下、注意力散漫、遂行機能の低下といった高次脳機能障害の症状が残り、以前のように就労することが困難となりました。
当事務所の対応
当事務所は、事故直後からN様の代理人として対応しました。
当初、N様は主に嗅覚障害を訴えておられましたが、N様と打ち合わせを重ねるうちに、物忘れなどの症状により仕事に支障が出ていることが判明し、高次脳機能障害の可能性を指摘しました。
そこで、N様に診察時に高次脳機能障害の可能性を伝えてもらったところ、主治医もこれを認めたため、N様及びそのご親族には必要な検査の申し出や、後遺障害等級申請のための書類作成を行ってもらいました。
その結果、自賠責保険において高次脳機能障害による後遺障害等級9級10号の認定を受けることができました。
この結果を踏まえた相手方保険会社の当初提示額は2513万円でしたが、慰謝料が裁判基準(弁護士基準)の80%にとどまっていたため、粘り強く交渉を行い、最終的に満額の認定を得ることができました。
また、休業損害については、通常は休業損害証明書に記載された支給額が基礎収入となりますが、当事務所では、証明書に記載されていなかった営業手当の支給実績を示す資料を提出し、より高額の基礎収入を認めさせ、休業損害を増額させることができました。
さらに、事故直後、危篤状態にあったN様のもとへ配偶者やご両親が繰り返し見舞いに訪れており、相当の付添交通費が発生していました。これについても、過去の裁判例を示しつつ交渉を重ねた結果、全額が認められました。
その結果、相手方保険会社の当初提示額から約350万円が増額され、最終的に2850万円で示談を成立させることができました。
本件のポイント
高次脳機能障害とは、脳の損傷により高度な認知機能が障害され、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などが生じる状態をいいます。
外見からは判断が難しく、周囲が気づかないまま被害者本人も自覚していない場合が少なくありません。
そのため、交通事故で頭部に強い衝撃を受けた場合は、早期に弁護士へ相談し、高次脳機能障害の可能性を検討することが重要です。